◉「学校(中学校 高校)を知ろう」

さて、皆さんは全国にどれだけの高校があるかご存知ですか? なんと5000校あるんですね!!

普通科や英語科・理数科・芸術科…、定時制の学校など種類も多くあります。

地方に住んでいると、学校の数も種類も限られていて、あまり選択肢はありませんが、関東圏の、特に東京はさまざまな素晴らしい学校がたくさんあります。多すぎて、逆に全然わからないって人もたくさんいることでしょう。全てを紹介するのは大変なので、「頭のいい学校(卒業生が難関大学に数多く進学している)」について紹介しましょう。

例えば、10校高校があるとして、その中で1番進学率の高い高校って十分にすごい学校だと思いませんか?

ということは、全国ベスト500に入る高校とはそのような「すごい学校」なんですね。

ここで、すごい学校って、ついつい偏差値を基準に語られることが多いのですが、偏差値ってやりようによっては操作できるんです(それについてはまた別の機会に)。

しかしながら、卒業生が東大京大などの旧帝国大学や国立大学医学部を含めた難関国立大学に進学したかは「事実」であり、揺るぎない証拠でもあります。入口(偏差値)ばかりではなく、出口(合格実績)を知ることはとても大切なことです。

ここに「東京の全国ベスト500に入る高校」のデータがありますが、どの学校も素晴らしい学校ばかりですね。ほとんどの学校は活気があり、学校行事が盛んで、生徒の自主性の高い学校ばかりです。それに、卒業生の母校愛の強い高校です。勉強を頑張り抜いて合格した学校なので、学校生活も格別なものとなっているのでしょう。




それでは、この図の中の学校を種類別に整理してみます。
まず全国ベスト500に入っている東京の学校は 57校あります(なんと10%強もある!)。

★私立校 と 国立都立校 の学校数
→私立 33校 、国立都立校 29校

ほぼ同じですね。てっきり私立が優勢だと思っていましたが、こうやって比べてみるとそんなことはない。

☆中学受験のみの学校 と 高校受験のある学校 の学校数
→中入のみ 30校 、中高入 32校

またまた意外な結果でしたね。中学受験しないと高校受験だと難関校が残されていないなんてイメージがあったと思います。


★順位順に並べてみると

①全国順位 1位〜100位(上位 2%以内 卒業偏差値 70以上 大学付属ならば早慶付属レベル)

→(中学受験のみ)[私立]麻布・桜蔭・駒場東邦・海城・早稲田・女子学院(6校)

→(高校受験のある学校)[私立]開成・桐朋 [国立都立]筑波大学附属駒場・筑波大学附属・東京学芸大学附属・日比谷・西・国立(8校)


②全国順位 101位〜250位(上位 3〜5% 卒業偏差値 67.5以上 大学付属ならば青学明治立教ICU付属レベル)

→(中学受験のみ)[私立]渋谷教育学園渋谷・武蔵・豊島岡女子・雙葉・本郷・芝・攻玉社・鷗友学園女子[国立都立]小石川(9校)

→(高校受験のある学校)[私立]城北・巣鴨[国立都立]戸山・青山・立川・八王子東(6校)


③全国順位 251位〜500位(上位 6%〜10% 卒業偏差値 62.5以上 大学付属ならば学習院中央法政レベル)

→(中学受験のみ)[私立]世田谷学園・暁星・白百合・頌栄女子学院・吉祥女子・東京都市大学付属[国立都立]武蔵・両国・白鷗・三鷹・桜修館・立川国際・南多摩・富士(14校)

→(高校受験のある学校)[私立]国学院久我山・広尾学園・帝京大・東京農大第一・青稜・創価・成蹊[国立都立]新宿・お茶大附属・小山台・国分寺・東工大附属(12校)

中学受験も高校受験もほぼ互角だということがわかりますね。中学受験のメリットは6年間一貫教育でゆとりを持って学力をつけていくことですが、6年間だと途中だれてしまって学校の授業についていけなくなるという弱点もありますね。あとは特に中学受験で偏差値の高い女子校の卒業偏差値がパッとしないのも気になりますね。逆に、中学受験でも高校受験でも難関校とはいえない上位程度の学校(四谷大塚 偏差値55 、V模擬 偏差値62程度)が卒業偏差値が高いことも興味深いですね(特に共学校)。例年500校に入っているが、この年だけ入らなかったような学校もこの図には載ってます。さらに、東京都市大学等々力高校のような今伸び盛りの学校がまだランクインしていないことも気づきます。


[講評]

中学受験をする家庭は高校受験を知らない。
高校受験をする家庭は中学受験を知らない。

どちらも知ることによって、例えば、中学受験をして、進学するならば、ここに載っているベスト500以上にするとか「線引き」もできますね。

そして、中学部の特に普通クラスに多いのですが、まず全然高校を知らない、そして、この図なんて関係ないなんて思ってる生徒や親もいると思います。
しかし、農大一高や成蹊高校は普通クラスの真ん中くらいの生徒でも合格していることから、早めに説明会や文化祭に参加して志望校にするならば、合格可能性があるということも気づいてもらいたいですね。
偏差値ももちろん大切な指標ではあるものの、このような「卒業偏差値」から真の実力校を知り、志望校のヒントとしてください。
学校選びは「キャンパスの環境・先生の質・行事の活発さ・部活の活発さ・卒業後の国立大学の進学実績」に注目すれば必ず良い出会いがあるはずですよ。

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